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頭の良さは遺伝する?学力と遺伝のホント

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親の頭の良さが遺伝するかどうか、遺伝よりも大切な学力アップの要素を知ることができます。

遺伝専門家による5つの指摘と研究結果

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1、遺伝子は50%の割合で学力に影響する

行動遺伝学者・安藤寿康先生は、R25『子供の学力、遺伝の影響が50%?』の中で、

総じていうと、英語力をはじめとする学力は、生まれついての遺伝が5割。のちの勉強によって得られる学力は5割程度

と指摘しています。安藤先生は、まったく同じ遺伝子を持つ一卵性双生児と、遺伝子の共有が50%の割合である二卵性双生児の比較研究などを20年以上おこなっています。

2、多くのが遺伝の影響を受けている

キングス・カレッジ・ロンドン遺伝子学部ロバート・プロミン教授の研究では、

学業成績の遺伝性は単に知性だけではなく、全ての遺伝性の特性の組みあわせであることが示された。遺伝性とは、全て組み込まれたものではない、ということが重要である。単に子どもたちが学習することが簡単で楽しいと感じるかが子どもによって異なることや、この違いの多くが遺伝の影響を受けている

という結果を示しています。つまり、やる気や感性も遺伝子し、知能の遺伝以外も学力に大きな影響を与えるということです。

3、可変性の遺伝子は、良くも悪くもなる

小中学生の勉学をサポートするドリームエデュケーション代表で、家庭学習コンサルタントとして延べ5000人以上の子供を見てきた坂本七郎さんは、ビジネスジャーナル『東大合格は誰でもできる? 頭の良さは小6までの環境で決まる』の中で、

実際、遺伝子的な部分や先天的な能力が学力に大きくかかわっているという指摘もありますが、私の経験上、それがすべてではない

と述べています。また、遺伝子は可変性があることを指摘しています。

遺伝子のうちのいくつかには可変性があるといわれており、これらは環境によって良くも悪くもなっていく

つまり、遺伝はすべてはなく、関係があるとしても、環境によって変えることができるという意見です。

4、世帯年収が低い親の子供は大脳皮質が小さい

ロサンゼルス小児科病院とニューヨーク・コロンビア大学医学部を含む9大学の研究者25人による研究結果です。

3歳から20歳までの1099人を対象に高解像度のMRI画像解析、両親・家庭の社会経済的要因の聞き取り調査を実施しました。結果は、

世帯年収2万5000ドル(300万円)未満の家庭の子は、15万ドル(1800万円)以上の家庭の子より、大脳皮質が6%小さいことが判明

しました。計測で示された大脳皮質は記憶力や認識力をつかさどる場所で、学力を測るうえで重要な役割を担います。

5、富裕層の子供たちが低所得層の子供より勉強ができる

東京大学が在校生の家庭状況を調査した「学生生活実態調査の結果」では、

東大生の親の世帯年収950万円以上の家庭が実に51.8%

となっています。一方、厚生労働省が発表した世帯の平均年収は約550万円となっています。このデータから、富裕層の子供たちが低所得層の子供より勉強ができるようになりやすいことが推測されます。

良い教育を受けた親は、子供の学力アップ法を熟知している

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頭の良さは遺伝するかどうか、心配になっている親御さんもいるかもしれませんが、大丈夫です。

結果的には、「良い教育を受けた親は、子供の学力アップ法を熟知している」ということが、子供へ遺伝し、子供を育てる時の良い環境づくりになる可能性があるということです。

だとすれば、親御さんがこれから、

・家庭内の良い学習環境を作る
・家庭外の良い学習環境を作る

という二点を努力すれば、良いわけです。学習環境とは、やる気が上がったり、興味が湧いたり、好きになったりといったことも含みます。

良い指導、良い教材だけが環境ではありません。むしろ、親の子供に対するコミュニケーションスキルと、家庭学習に関するリテラシーが、子供の良い学習環境作りに繋がります。

このことに気を付ければ、お金がなくても、子供が積極的に自分から頭を良くしていくでしょう。

学校教育レベルの「頭の良さ」は誰でも確保できる

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あまたの良さは遺伝するのか?学力と遺伝の関係について、まずは、遺伝専門家の指摘と研究結果の5つご紹介していきます。

日本における学校教育で競われる学力であれば、遺伝はまったく気にしなくて良いと言えます。

学力を決めるテストはほとんどの場合、出題範囲が必ず決まっていて、覚えたものからそのまま出題される基礎問題と、覚えたものをカスタマイズして解いていく応用問題の二つしかないからです。

頭を良くすることは、まさに「やれば、できる」

頭の良さの遺伝に敏感になるのは止めましょう。子供がテストをゲームのように楽しみ、ゲームを攻略するかの如く戦略的に努力すれば、定期テストから受験まで、きちんと結果を出すことができます。

学校で勉強をきちんと取り組んで来ていなかった親御さんたちは、学力を上げることについてはかなりのアマチュアですから、その点を改善することが、子供の頭が良くなることへ直結していきます。

結論:頭の悪かった親から、頭の良い子供は生まれる

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実際に、頭の悪かった親から、頭の良い子供は生まれます。「生まれる」というよりも、「育つ」と言った方が適切でしょう。

育てるとは、環境を作り、機会を与え、応援し、見守ることです。頭の良い親でも「育てる」を誤ると、子供の頭は良くなりません。

どんな環境を作り、どんな機会を与え、どのように応援し、どんな時に見守るのか、このサイトの情報に触れて、少しずつ、親としての家庭学習の知識を身に付けていって下さい。

雑草魂で弱小校が優勝する戦略で

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親御さんが頭が悪かったからといって、引け目に感じることはありません。むしろ、ゼロから積み上げていくことを楽しんでみて下さい。最初に置かれた状況が劣悪な弱小校が限られた少ない資本の中で、雑草魂で這い上がり、強豪校を次々と倒し、優勝する。

子供を伸ばそうと躍起になるよりも、勉強に伸び伸びと取り組むことを親子で楽しんでみて下さい。

(END) Thanks for reading!

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