子供が勉強のモチベーションを爆上げする方法

子供のモチベーションはアップダウンが激しくて当然

まず、最初に親御さんに伝えたいことは、子供が勉強に対してモチベーションを下がって当然ということです。そして、常に高い必要はなくて構いません。
モチベーションは下がることを前提にして、どう向き合っていくかが大切なのです。たいていの子供にとって、勉強というステージは、一時的な期間においてしか、メインの行事になり得ません。短期的に言えば、定期テスト、長期的に言えば、受験です。
下がったモチベーションから完全復活させるのは成長欲求

下がった やる気〟を短時間で高めに持っていくときの最強の武器は「成長欲求」です。勉強を通じて自分自身が成長したいという欲求が芽生えれば、勉強へのモチベーションのスイッチは常にオンに持っていくことができます。
自分自身でセルフモチベーション上げる。これをセルフモチベートと言います。
今の時代のモチベーションは「自発」が大切

生きること自体に必死であれば、モチベーションは自然発火する
時代が進むにつれて、モチベーションの実態も変化していると言われています。まず、人間が衣食住の一次的な欲求を満たすだけで一杯一杯だった時代は、モチベーションは「生きるため」というごく単純なものでした。
二次的欲求を満たす余裕が出てくると、アメとムチでモチベーションを調整するように
人間の生活が豊かになってくると、二次的な欲求を満たせるようになります。ITなどの情報技術が発達し、生活が多様化する以前は、モチベーションは「アメとムチ」が有効だったと言われています。報酬と罰を上手く配置することで、モチベーションを操作する方法です。報酬と罰は特に同じ目標を目指す社会やルーチンワークでは有効とされています。
価値観や目標が違くて当たり前の時代は、自分の心の成長に訴えることが、モチベーションを上げる
価値観や目標が多様化すると、相手がモチベーションの刺激となることが少なくなっていきます。結局は、自分自身で自分を上げていく、セルフモチベートが重要になってくるわけです。
子供の勉強のモチベーションを上げる4つの見込み

セルフモチベートで子供が自分のモチベーションを上げやすい行動体質にするにはどうしたらよいのでしょうか?それには子供が勉強を通じて4つの見込みをバランスよく手にする必要があります。
1、報酬が見込める
2、楽しさが見込める
3、勝算が見込める
4、見通しが見込める
では、「報酬・楽しさ・勝算・見通し」の4つの見込みについてより詳しく説明していきましょう。
見込み1:報酬が見込める
報酬は目に見える成長の成果ですよね。勉強によって、自分が本当に欲している物を手に入れたり、自分が魅力的に感じている事ができるような見込みがあれば、勉強へのモチベーションはアップします。
そのためには、親は子供がどんな報酬に魅力を感じるのか、常に理解しておく必要があります。また、報酬を提示するタイミングも重要です。報酬が見込めないタイミングで報酬を提示してもモチベーションは上がりません。報酬と引き換えに与えた目標が現状とかけ離れ過ぎていると、モチベーションが上がらないのは想像がつくはずです。
見込み2:楽しさが見込める
楽しさは成長の起爆剤そのものです。楽しいと感じられる行動であれば、心の障壁がなくなります。実はこの楽しさを見込めるということは非常に大切で、「勉強って退屈」という刷り込みが子供にはかなり先行してしまっているのが、日本教育の現状だと言えます。
親が勉強の楽しさを伝えたり、子供の勉強が楽しくなるようなバックアップができれば、子供は自発的に勉強するようになります。それは、勉強から楽しさを意地でも見つけられるような子供に成長するからです。
見込み3:勝算が見込める
勝算が見込めることは、成長への手軽さです。程度に難しくも、勝てる見込みを感じられる内容が、子供にとっては心地よい刺激になるのです。
そのためには、ゲームの攻略本を読んで、ゲームをクリアするようコツを勉強でも掴むことが大切です。例えば、テストに出そうなポイントが分かっていること。テストの攻略法を知れば、攻略するのが楽しくなります。
子供が塾に行けば、塾講師が勉強の攻略法を伝授してくれるでしょう。勉強という世界の世渡りの上手さを身に付けることが、勉強のモチベーションアップにつながるのです。
見込み4、見通しが見込める
見通しとは成長することの道しるべです。ゴールが見えていること、ゴールに向かう視野を持っていることは、ゴールに向かって自分自身で様々なスパイスを加えられるということです。やりがいがありますよね。
子供が自分で見通しを建てられない場合は、親が一緒に見通しを立てることで、モチベーションを高めることができます。
子供がモチベーションが上がる場所か分かる5つのチェック

子供の勉強をする場所は、学校と家庭、加えて塾などになりますが、子供が勉強をする場所が、モチベーションアップできる場所かを見直すことも大切です。子供が勉強を行う場所に対して、以下のチェックを行ってみましょう。
チェック1:お互いを見つめ合う場所か?
チェック2:やりたいことをやれる場所か?
チェック3:刺激を与え合う場所か?
チェック4:精神的報酬を得られる場所か?
チェック5:いつも外へ目を向けているか?
結局大事なのは、全体的なバランスです。外を見ることで中の魅力を知る。興味があちらこちらに行くとこは、長期的な目線では悪いことではありません。
英才教育では、1つのジャンルだけを徹底的に行い、他の要素を排除するような指導法もありますが、セルフモチベートできる子供を育てることを考える場合は、上記の5つに適した環境を作ってあげることが重要になります。
見えない報酬を可視化して伝えてあげる
「チェック4:精神的報酬を得られる場所か?」とありますが、例えば、勉強で先生に怒られなければ、どのような精神的報酬が得られると思いますか?
先生に怒られて時間が取られるリスクがないので、安心して友達と遊ぶことができますよね。勉強をすることで、遊ぶ時間が逆に増える。そのことに子供が目を向けられていないのであれば、親が子供の見えていない報酬をきちんと可視化して伝えてあげましょう。
イメージと目的を親子で会話しよう

親子の会話習慣から勉強のモチベーションアップに欠かせない「成長欲求」と「見通し」を育むことができます。
まずは、妄想や想像をさせるトークです。内容はアニメやゲームでも構いません。この点は『親が絶対持つべき10の心得』の中の<心得7>「思慮を与えれば、成功する」を参考にしてみて下さい。
次に、子供に目標を作らせたり、目標を聞いたりするようにしましょう。子供の目標にあまり親が敏感になり過ぎるのはよくありませんが、例えば、親子で遊ぶ際にも、両者で目標を設定しながら楽しく遊んだりするのも一つの手です。
イメージと目的について親子で会話できるようになれば、
・想像する意欲を湧かせる
・目標を具体的にさせる
習慣が身に付き、子供が自分自身でモチベーションを上げられるように育っていきます。
プライベートや人間関係の充実もサポートしよう

その他、モチベーションアップにつながる要素には…
・公私のバランス
・人間関係
の充実も大事になっていきます。勉強の成果を家族や知人に自慢できる関係であったり、授業内容だけでなく、授業を共に過ごすクラスのコミュニティ空間が楽しめるといったようなことです。
常に夢を語れる場所へ
議論好きの子供になれば、情報や志を友達と共有し、確かめ合い、刺激し合える、多くの良き仲間やライバルを作ることができます。特に同等の同志を見つけることは、子供にとっては大きなエネルギーになります。
子供がライバルを持つことで得られる効果については、『親が絶対持つべき10の心得』の中の<心得9>「競争が楽しくなるマインドを」を参考にしてみて下さい。
成長欲求が大勢な人にはほぼ必ずメンターがいる
親が子供にいろんな出会いをプレゼンとしてあげることで、モチベーションのエネルギー源となる成長欲求を育ませることができます。
それは、出会いによって、子供がメンターを見つけるからです。
子供が憧れのメンターを見つけたら、子供になぜ、そのメンターに憧れているかを具体的に聞きましょう。
具体的に説明できればできるほど、成長欲求を本人が具体的に描くことに繋がります。
親が子供の何かしらの場面でメンターになるパターンもあります。
親としてしっかり生きていくことも、子供のモチベーション作りに繋がるのです。
大人になり過ぎないこと、世界を知り過ぎないこと

子供と接する中で、成長させることと早熟させることを混同している親御さんもいます。
子供らしさは、子供にしかない何よりの財産です。
その子供らしさを軸に、子供の成長を促してみて下さい。
子供らしさを失い、大人ならではのバランス感覚が早い時期に身に付くと、子供の環境に純粋に入り込めなくなります。
結果、「妥協点」を彷徨う子供なります。
知識の上にある見識、胆識を意識してモチベーションを上げよう

勉強は知識のインプットと問題を解くアウトプットだけに留まりません。
勉強は知識だけでなく、見識、胆識を作るのです。
見識、胆識とは
見識…習得した知識を消化した上で、自分なりの考えを持ち、しっかりとした判断材料にできること
胆識…見識に基づき、心を決めて実行に移すこと。行動力に伴う見識
勉強による知識を身に付けることは、見識と胆識へのステップになります。
見識と胆識は成功体質と行動体質の土台となり、どんなことに取り組んでも粘り強く結果を出せるようになります。
勉強に対する自分軸を持つようにする

子供が「〇〇な時は勉強するけど、××な時は勉強はしない」というように、勉強のペースや配分すれば、勉強のモチベーションは上がります。
勉強よりも人生で優先したことと勉強との折り合いをきちんとつけられるような軸を持っていれば、勉強をするべきときは、きちんとできるようになります。
努力によって良い人と良い環境に恵まれるようになれば、モチベーションは常に高く持続できる大人になる

大人になってからセルフモチベートの体質改善をすることは大変です。子供の純粋な魂は魔力を秘めています。その魔力をきちんと使えるようにサポートすることが親の役割です。
自分でイメージを膨らませ、成長欲求を刺激し、行動を起こし、自分の人生をキラキラさせ、それがどんどん積み重なれば、子供のモチベーションは年を追うごとに強力なものになっていきます。勉強というステージだけでなく、大人になったあらゆるステージでモチベーションを保ち、結果を呼び込める大人になっていくでしょう。
子供の勉強のモチベーションをアップさせるコツは、今回ご紹介しただけでも、盛り沢山です。親御さんは1つ1つできることから、楽しく取り組んでみて下さい。
2016年9月1日
(END) Thanks for reading!